私は長野県で農業を営む60代の男性です。自家栽培の野菜や果樹を育てており、家族経営で細々と続けています。近年、シカやイノシシによる作物被害が増えており、収穫直前の畑が荒らされるなど、経済的な損失が深刻でした。

地域の猟友会に相談したところ、「自分で銃猟免許を取って対応したほうが良い」と勧められ、一念発起して第一種銃猟免許の取得を目指しました。

なぜ受験しようと思ったのか

作物被害の深刻化が最大の理由です。特に高齢化が進む山間部では、猟師のなり手が不足しており、自分たちで地域を守る必要があると感じていました。また、地域の安全と生活を守る手段として、狩猟を学ぶことに意義を感じたのもきっかけです。

当初は年齢的な不安もありましたが、「今からでも遅くない」と自分に言い聞かせ、申請手続きや試験対策を始めました。

勉強方法と使った教材

試験対策には、県から配布された「狩猟免許試験例題集」と、猟友会の予備講習が大変役立ちました。講習では銃の構造や安全装置の説明が丁寧で、初めて触れる内容にも安心して学ぶことができました。

自宅では毎晩1時間程度、例題を解いて復習し、理解を深めました。銃に関する知識は初めてでしたが、繰り返し学習すれば自然と頭に入ってきます。

試験当日の様子

試験会場は県庁の一室で、受験者は20人ほど。年齢層は幅広く、同世代の方も多くいました。筆記試験では、法令、鳥獣識別、安全管理の3つが問われ、事前に繰り返し学習していたため落ち着いて解けました。

実技試験では、模擬銃を使った分解・組立、安全確認の手順がチェックされました。予備講習で習った通りの手順を守ることが合格の鍵です。焦らず正確に対応することを意識しました。

合格通知を受け取って

試験後2週間ほどで合格通知が届きました。年齢的な挑戦という意味でも自信につながり、地域からも「頼りになる」と声をかけられ、非常に嬉しかったです。

現在は銃の所持許可を申請中で、射撃講習や精神科医の診断も済ませ、秋には猟銃を持って猟に出る予定です。

これから受験する人へアドバイス

第一種銃猟免許は、安全管理と知識が問われるため、甘く見てはいけません。ただし、しっかり例題集をこなし、必要な講習を受ければ必ず合格できます。年齢は関係ありません。

私のように地域の課題解決を目的に受験する方には、猟友会など地域団体と連携することで、よりスムーズに進められると思います。自分の生活と地域を守るためにも、ぜひ挑戦してみてください。