銃の種類の違いとは?ライフル・ハーフライフル・散弾銃を比較解説

銃にはさまざまな種類がありますが、日本で猟銃として所持できるものは主に「散弾銃」「ライフル銃」「ハーフライフル銃」に分類されます。それぞれの構造・性能・用途は大きく異なり、法律上の取扱いにも明確な違いがあります。このページでは、これら3つの銃種の特徴・違い・メリット・注意点について詳しく解説します。

日本で所持可能な3種の銃とは?

一般の個人が日本国内で合法的に所持できる猟銃は、主に次の3種類です。

銃種別比較表

銃種構造弾の性質用途所持条件
散弾銃滑腔銃身/旋条なし多数の小弾が広がる鳥類・小動物・中型獣第一種銃猟免許/比較的取得しやすい
ライフル銃銃身全体に旋条あり1発の弾が回転し精密飛翔中〜大型獣・遠距離射撃10年以上の猟歴・厳しい審査
ハーフライフル銃銃身の一部に旋条回転するが精度は中程度中距離での大型獣猟2025年法改正でライフルと同等扱い

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狩猟免許のうち、銃を使用する猟法には第一種銃猟免許と第二種銃猟免許があります。第一種は装薬銃や空気銃を用いて大型獣の狩猟が可能で、第二種は空気銃による小型動物の狩猟に限定されます。以下では、それぞれの銃猟免許試験に対応した過去問と解説を掲載しています。試験の出題傾向を把握し、合格に向けた効率的な対策にお役立てください。

散弾銃の特徴と使い方

散弾銃は、1度の射撃で広範囲に弾をばら撒くことができるため、飛翔する鳥類などの動的な標的に向いています。装弾数も多く、さまざまなタイプの弾薬(スラッグ弾・バックショットなど)を使うことができるのが特徴です。

その一方で、射程や精度には限界があり、遠距離からの精密な狙撃には不向きです。また、使用する弾薬によって威力が大きく異なるため、狩猟対象や状況に応じて弾の種類を適切に選ぶ必要があります。

ライフル銃の特徴と制限

ライフル銃は銃身に施された螺旋状の溝(旋条)によって弾丸に回転を加え、極めて高い精度で遠くの標的を狙うことが可能です。中〜大型のシカ・イノシシ、場合によっては熊のような動物を対象とした狩猟に用いられます。

しかし、精密さと威力が高い分、法律上の規制も非常に厳しく、所持には10年以上の第一種銃猟免許の保持や、実績・安全実施報告などが求められます。狩猟者としての信頼と実績があって初めて申請が通る銃です。

ハーフライフル銃の位置づけと特徴

ハーフライフル銃は、滑腔部と旋条部の両方を持つ構造の銃です。散弾銃とライフル銃の中間に位置し、ある程度の精度と威力を兼ね備えています。特にシカやイノシシを中距離で狙う場合に効果的とされ、一部の猟師に好まれてきました。

かつては「散弾銃扱い」だったため、取得しやすい銃種として認識されていましたが、2025年3月からはライフルと同様の扱いを受けるようになり、所持に必要な条件が厳格化されました。

初心者が選ぶべき銃はどれ?

初めて銃を持つ場合、多くの人が選ぶのは「散弾銃」です。取得要件が比較的緩やかで、法令や技術の習得にも段階的に対応しやすいためです。空気銃(第二種)を経てから散弾銃へ移る人もいますが、本格的な狩猟を目指すなら第一種免許から始めることが一般的です。

ライフルやハーフライフルは、経験を積んでからのステップアップとして考えるのが現実的です。特にライフル銃は所持の条件が厳しく、長期間の猟歴と実績、地域での信頼などが必要になります。

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よくある質問

Q. 散弾銃とライフル銃の違いは?
→ 散弾銃は複数の小さな弾を広範囲に発射し、鳥類や近距離の獣に有効です。ライフル銃は単発の弾を高精度で遠距離に撃てるため、大型獣向けです。
Q. ハーフライフル銃とは何ですか?
→ 銃身の一部に旋条(ライフリング)がある銃で、散弾銃とライフル銃の中間的性能を持ちます。2025年からライフル扱いとなりました。
Q. 初心者にはどの銃がおすすめ?
→ 散弾銃(中折れ式や自動銃)が最も入門向きです。構造が比較的シンプルで、講習や所持許可もライフルより取得しやすいです。
Q. 空気銃は銃猟免許が必要ですか?
→ はい。第二種銃猟免許が必要で、警察の所持許可も必要です。小動物向けの軽量な銃として使用されます。
Q. 銃の所持に必要な条件は?
→ 20歳以上で、適性検査・身辺調査・講習受講・射撃試験などをクリアする必要があります。詳細は警察署で確認しましょう。
Q. 銃は自宅に保管できますか?
→ はい。ただし厳重な保管が義務付けられており、施錠された銃保管庫と実包保管庫が必要です。警察の家庭訪問で保管状況が確認されます。
Q. 猟銃所持者になるにはどれくらい時間がかかりますか?
→ 初めての申請から所持許可まで3〜6ヶ月程度かかります。書類準備、講習、身辺調査、技術講習などの工程が複数あるためです。
Q. 自作の銃は合法ですか?
→ いいえ、銃砲刀剣類所持等取締法により自作銃の所持・製造は厳しく禁止されています。違反すれば重い刑罰が科されます。
Q. ライフル所持は誰でもできますか?
→ 原則として散弾銃の所持歴が10年以上ある者に限られます。猟歴・射撃実績・猟友会の推薦などが必要です。
Q. ハーフライフルは今でも取得可能ですか?
→ 2025年の法改正でライフル扱いとなったため、取得にはライフルと同様の基準が適用されます。北海道では特例措置もあります。

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