狩猟免許と銃所持許可の違いとは?

「狩猟免許を取れば銃が持てる」と思っていませんか?実は狩猟免許と銃の所持許可は全く別の制度です。このページでは、両者の違いと、銃を所持するために必要な手続きについて初心者でもわかるように詳しく解説します。

狩猟免許とは?

狩猟免許は、野生鳥獣を捕獲する「狩猟行為」を行うために必要な免許です。都道府県が実施する試験に合格することで取得できます。種類は以下の4つに分かれています。

  • 第一種銃猟免許:装薬銃(散弾銃など)を使った狩猟
  • 第二種銃猟免許:空気銃などを使った狩猟
  • わな猟免許:くくりわな・箱わななどを使った狩猟
  • 網猟免許:落とし網・むそう網などを使った狩猟

これらは「どの方法で狩猟するか」によって分類されており、実技試験や筆記試験で狩猟に関する法律・知識が問われます。ただし、狩猟免許を取得しても銃を購入・所持することはできません。

銃の所持には別の許可が必要

実際に猟銃(例:散弾銃、ライフル、空気銃など)を所持するには、警察の発行する「銃所持許可」が必要です。これは狩猟免許とは独立した制度であり、所持する銃ごとに1丁ずつ許可を取得する必要があります。

銃所持の手続きには、以下のような流れがあります:

  1. 猟銃等講習会の受講(初心者講習)
  2. 考査(筆記試験)への合格
  3. 精神科医による診断書の提出
  4. 身辺調査(前科・交友関係・家庭環境など)
  5. 公安委員会による面接・判断
  6. 技能講習・実技試験(射撃場での訓練)

このように、銃を所持するには長い審査と講習が必要であり、狩猟免許とはまったく異なるプロセスが求められます。

猟銃等講習会とは?

猟銃等講習会とは、銃所持希望者が最初に受けることになる講習で、公安委員会(警察)によって開催されます。内容は主に以下の通りです:

  • 銃の構造と安全な取扱い
  • 銃刀法・火薬類取締法などの法令
  • 実際に起きた事故の事例と教訓

講習の最後には「考査」と呼ばれる筆記試験が行われ、合格しないと次のステップ(診断書提出や所持許可申請)に進めません。これが一般的に「銃免許試験」と呼ばれることもあります。

狩猟免許と銃所持許可の違いまとめ

項目狩猟免許銃所持許可
所管都道府県(環境部門)都道府県公安委員会(警察)
目的狩猟行為の許可銃の所持の許可
主な試験狩猟免許試験(筆記・実技)猟銃等講習会考査・技能講習
対象者狩猟をしたい人銃を所持したいすべての人
有効期間3年(更新制)3年(銃ごとに更新)

よくある誤解と注意点

  • 「狩猟免許=銃免許」ではない
    狩猟免許を持っていても銃は持てません。
  • 所持許可がないと銃を買えない
    許可を得る前に銃を注文・所持することは違法です。
  • 免許と許可の更新は別物
    狩猟免許と銃所持許可は別々に更新が必要です。

猟銃所持関連記事

狩猟免許関連記事