狩猟免許と有害駆除(捕獲従事者)の違いとは?

「狩猟免許」と「有害駆除(捕獲従事者)」は似ているようで目的も制度も異なります。このページでは、両者の違いや取得の流れ、向いている人の特徴まで初心者向けに詳しく解説します。

狩猟免許と有害駆除の目的の違い

狩猟免許は趣味やジビエ活用を目的とした「個人活動」です。一方、有害鳥獣駆除は農作物被害や住民への危険を防ぐための「行政的な活動」で、自治体や行政の依頼によって行われます。

狩猟免許とは?

狩猟免許には4種類(第一種銃猟・第二種銃猟・わな・網)があります。都道府県が実施する試験(筆記・実技)に合格すると取得できます。猟期中に、対象地域・対象鳥獣に対して狩猟が可能です。

有害駆除(捕獲従事者)とは?

有害駆除とは、農業被害や人的被害を及ぼす鳥獣を自治体の許可を得て駆除する制度です。実際に活動する人を「捕獲従事者」と呼び、狩猟免許を所持したうえで申請・登録されます。猟期に関係なく、通年での活動が認められる場合もあります。

資格や活動条件の違い

項目狩猟免許有害駆除(捕獲従事者)
資格の種類都道府県発行の狩猟免許自治体による捕獲従事者指定
活動目的趣味・自己消費農作物保護・安全対策
活動時期猟期のみ(地域差あり)通年(許可内容に準ずる)
報酬基本なし自治体により支給あり
必要書類狩猟免許証・猟銃所持許可など上記+自治体への申請書類

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有害駆除とは?

有害駆除とは、農作物や森林に被害を与える野生鳥獣を、自治体の許可を得て捕獲・駆除する活動を指します。

通常の狩猟と異なり、狩猟期間に関係なく実施できる場合が多く、地域住民や農家の生活を守る重要な役割を担っています。

駆除の対象や方法は自治体の指示に基づき、法律の枠組みの中で行われます。

害獣駆除に関わる年収について

害獣駆除に携わる人の多くは、猟友会や地域の駆除隊に所属し、自治体から委託を受けています。

報酬は「捕獲1頭あたりの謝礼」や「出動手当」として支払われるケースが多く、地域や対象動物によって金額は大きく異なります。

年間を通じて安定した収入源となるケースは少なく、副業的な収入として位置づけられることが一般的です。

害獣駆除に必要な資格

害獣駆除に参加するためには、基本的に 狩猟免許 が必要です。

銃を使った駆除では「第一種銃猟免許」または「第二種銃猟免許」、わなを使う場合は「わな猟免許」が必要になります。

さらに、自治体が実施する「有害鳥獣捕獲従事者講習」などに参加し、登録を受けることで駆除活動に従事できます。

資格そのものよりも、地域での信頼関係や活動実績が重要視される点も特徴です。

どちらが必要か判断するには?

「趣味で狩猟をしたい」「ジビエを楽しみたい」などの場合は狩猟免許のみで十分です。一方、地域の要請に応じて駆除に協力したい場合は、有害駆除従事者として登録する必要があります。どちらか一方というより、両方を活用する人も少なくありません。

活動に向いている人の違い

活動エリアと許可の違い

狩猟免許による活動は、狩猟区域や猟期に制限されます。指定区域であっても立入禁止エリアなどがあるため、事前確認が必須です。一方、有害駆除は、特定の地域において許可を受けて活動するため、期間や場所も柔軟に設定されます。

例えば、農地や住宅地周辺など本来は狩猟が制限されているエリアでも、自治体の依頼があれば駆除が可能な場合があります。安全管理と法令遵守の面で、より高度な判断が求められます。

よくある誤解と注意点

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